2017/03/28

「高配当銘柄ねらい」の投資手法は市場平均すら上回ることができない

世の中には様々な投資スタイルがあります。
そのなかでも、比較的人気があり心理的にも実践しやすい投資に「高配当銘柄狙い」の投資方法があります。

しかし、この投資手法は、市場平均を下回る可能性が高いと思います。


まず、「高配当銘柄狙い」の投資手法を説明します。
比較的配当利回りの高い、例えば3%以上の銘柄を選びます。
その中でも、連続増配年が多く、財務的に安定感のる銘柄を選択します。

毎年、増配するのでそれを「配当再投資」をすることで、雪だるまのように資産が増えていくというものです。

たしかに理論的には、複利効果で資産規模は大きくなっていきます。
配当を受け取ったタイミングで、再投資をするのでタイミングにも左右されず、機械的に投資できるところも、心理的プレッシャーが少なくていいです。

さらに配当金が受け取れますので、もらった時に単純にうれしい気持ちになれます。

わたしが実践する逆張り投資である「バリュー投資」とは全く異なる投資です。
わたしの「バリュー投資」は配当利回りなんて、完全に無視します。

なぜなら、インカムゲインとキャピタルゲインのどちらが多くてもトータルリターンが高ければどっちでもいいのです。
正確に言えば、キャピタルゲインに偏った方がいいに決まっています。(理由はのちほど)

もし、高配当銘柄狙いの投資が人気で株が上がり過ぎたのであれば、それは利益の先食いに他ならないので、いつか調整されるだけです。

高配当銘柄がダメだと思う、一番の理由を言います。

配当再投資を完全にできるわけがない。
つまり複利効果を確実に得ることができない、ということです。

これはどういうことかと言うと、配当を受け取った時点で税金が発生します。
日本では配当利回りに対する税率は約20%です。

これは日本株に当てはまるのは当然ですが、米国株にも課税されます。
この時点で配当金の20%をロスしていることになります。

ここでいうロスは配当0の銘柄と比較して、20%のロスが発生しているという意味です。

これだけ見ても、わざわざ高配当銘柄を狙って20%のロスを出し続けることが理解できません。
例え、同じトータルリターンでもその差が何十年も経てば、大きな違いになることはカンタンに想像できます。

さらに米国株は一時的に2重課税されます。
米国株の配当に対する税率は約10%です。

日本で20%課税され、さらに米国で10%課税された配当金しか、手元には入りません。
外国源泉徴収税額控除で確定申告すれば、1年間まとめて還付されます。

この時点でタイミング的にズレています。
しかも、この外国源泉徴収税額の申請が、かなりややこしくて面倒なのです。

高配当狙いの投資家たちは、日本と比較して増配年数の多い米国株を好みます。
そんな彼らはジェレミー・シーゲル氏の教えに従い、高配当銘柄を狙います。

ジェレミー・シーゲル氏の本に記載されている配当再投資理論は、完全に配当再投資ができることが前提です。

日本の投資家たちが、同じような土俵に立ち、そのような結果に繋がるかと言うとかなり怪しいです。
たぶん高配当狙いの投資家たちは、それを理解したうえで実践していると思います。

なぜそれが人気の投資であるかというと、そういう都合の悪いことは隅に置いて、単純に精神的にラクな投資手法であるからだと思います。

株価は心理で動きます。
投資で一番大切なことは、精神です。

つまり、投資家たちが買っているときに売り、売っているときに買う、という精神的に辛い状況で、孤独のなかを勇気を持って、逆の行動をとらなければなりません。

誰もが簡単にできるような精神状態で、市場平均を上回ることができるほど、投資の世界は甘くありません。

▼マイポートフォリオ
マイポートフォリオ 2017年2月4日

マイポートフォリオ2016年11月27日

▼わたしの投資方針
わたしのバフェット流米国株投資基本方針まとめ

バフェット銘柄の買うタイミングをPERで考える

▼わたしのポートフォリオ保有比率上位銘柄まとめ
保有比率第1位 ウエルズファーゴ(WFC)

保有比率第2位 IBM

保有比率第3位 バークシャーハサウェイ(BRK.B)・・整備中

保有比率第4位 コカコーラ(KO)

保有比率第5位 アメリカン・エキスプレス(AXP)

保有比率第6位 フィリップス66(PSX)